【4月25日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)のメルセデスAMG(Mercedes AMG)を率いるトト・ヴォルフ(Toto Wolff)代表が24日、エミリアロマーニャGP(Emilia-Romagna Grand Prix 2022)で下位に沈み、意気消沈するルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)に対し、ハミルトンのマシンは「運転不可能」で世界チャンピオンにはふさわしくないと、公の場では異例となる謝罪の言葉を口にした。

 24日のエミリアロマーニャGP決勝で、ハミルトンは13位に終わる不本意な一日を過ごした。チームメートのジョージ・ラッセル(George Russell)は、同じ「縦揺れ」と低調なマシンに苦しみながらも4位に食い込んでおり、ハミルトンはこれで3戦連続でラッセルに順位で上回られている。

 さらに追い打ちをかけるように、近年タイトルを争ってきたライバルで、今大会を制したレッドブル(Red Bull)の王者マックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)にはあっさりと周回遅れを喫した。

 ヴォルフ代表は「われわれは世界チャンピオンにふさわしくない。マシンを修正する必要がある」とコメント。ハミルトンにはレース後すぐにチームの無線で謝罪し、「申し訳ない。きょう君が運転しなければならなかったマシンは運転不可能だった。ひどいレースだった」と伝えた。これに対してハミルトンは「心配ない、トト。とにかくこれからも頑張ろう」と返した。

 ハミルトンは昨季のアゼルバイジャンGP(Azerbaijan Grand Prix 2021)でもポイント圏外の15位に終わったことがあったが、この日の結果はメルセデス加入以降では最悪に近いものだった。これまでのワーストは、優勝を争えないマクラーレン(McLaren)で苦戦していた2009年ドイツGP(German Grand Prix 2009)の18位となっている。

 本人も途方に暮れながら「難しいが、何を言ったらいいか分からない」とこぼすと、「間違いなく簡単ではないし、チームとしてそう感じている。少なくともジョージは何ポイントか取れたわけだし、自分には同じことができなかったのが、みんなに申し訳ない」と悔やんだ。

「単純にオーバテークできるだけの速さがなかったが、理由はわからない。とにかく前へ行けず、ちょっとしたいいカモだった」

「もっとよくない時期はもちろんあったから、どん底というわけじゃない。それは確かだ」 (c)AFP