【4月23日 AFP】フランス大統領選の第1回投票は、現職の中道派エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)氏(44)が首位、極右政党「国民連合(RN)」のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)党首(53)が2位となった。24日の決選投票で過半数を獲得した方が勝者となる。

 以下に両者の公約をまとめた。

■マクロン氏の公約

 5年の任期満了を前に、再選を目指すマクロン氏。アピールポイントは、危機的状況が重なる中で指導者が続投するメリットと、安定したリーダーシップ性だ。

 急激な新型コロナウイルス対策、ウクライナ侵攻への対応で、マクロン氏は国民の信任を得られるものと期待している。

 公約は、伝統的な左右両翼の中庸を行く、「左派でも右派でもない」政治姿勢をさらに強めたものとなっている。

 左派的な政策としては、年金の最低受給額の引き上げ、医療従事者の新規雇用、男女平等の推進、学校でのいじめ撲滅を約束。 右派的なものでは、企業を対象とした減税の拡大、警察官と裁判官の増員の他、社会保障給付費の増加を抑えるために年金受給開始年齢を62歳から65歳に引き上げることなどを掲げている。

■ルペン氏の公約

 極右政党の党首を務めるルペン氏は、移民とフランスのアイデンティティーをめぐり保守強硬路線を打ち出す一方で、生活支援策を唱えている。

 公共の場でのイスラム教徒のヘッドスカーフ着用禁止を訴える他、難民申請手続きを国外からに限定するといった厳格な移民規制を国民投票を通じて導入する案を提唱。さらに「自国民ファースト」の方針の下、公共住宅などの社会サービスは国民を優先するとしている。

 また刑務所の収容定員を2万5000人分増やすことや、警察官の増員も約束している。

 一方で、光熱費関連の消費税の20%から5.5%への引き下げや、年金支給額の引き上げといった家計支援策を盛り込んでいる。

 外交政策では、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領とある程度の距離を置きつつも、フランスの主権強化という公約の下、北大西洋条約機構(NATO)の軍事部門からの離脱を提案。欧州連合(EU)の根幹を揺るがしかねない自国優先政策を打ち出している。(c)AFP