【4月11日 AFP】ウクライナで劣悪な環境下で飼われていた1頭のクマが10日、オランダの動物園に移送された。

 クマは24歳の雌で、名前はキリューシャ(Kiryusha)。オランダ中部レーネン(Rhenen)のアウエハンツ(Ouwehands)動物園が引き取った。

 動物園によると、クマの保護を手掛ける「ベアーズ・イン・マインド財団(Bears in Mind Foundation)」がウクライナから連れてきた。劣悪な環境下で飼育されていたが、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて飼い主が戦闘に参加。状況が一段と悪化したため急いで保護したという。

 隔離期間後、保護されたクマが暮らす森に移され、動物園と財団の監視の下で暮らすことになる。

 キリューシャは生後6年間はサーカス団で過ごし、その後、ホテルの子ども向けキャンプ施設に移された。コンクリートの床の狭いおりに入れられていたという。

 2月24日のロシアによる侵攻開始以降、ウクライナで見捨てられた動物を慈善団体が引き取りに行く事例が相次いでいる。

 ベアーズ・イン・マインドのディレクター、イングリット・フェルミューレン(Ingrid Vermeulen)氏は「戦争が続き、飼い主は動物の世話ができなくなっている」「餌も不足しており、放置されている」と話した。

 ベルギーやスペイン、ルーマニアなどもウクライナからトラなどの動物を引き取っている。(c)AFP