【4月12日 AFP】(更新)ポルトガルで開催された欧州カート選手権(2022 FIA Karting European Championship)の大会で優勝した15歳のロシア選手が11日、表彰式でナチス・ドイツ(Nazi)式敬礼とみられるジェスチャーをしたとしてチームを解雇され、国際自動車連盟(FIA)の調査対象になった。

 問題の選手はワード・レーシング(Ward Racing)に所属するアルテム・セベリューヒン(Artem Severiukhin)。胸を拳で2度たたいて右腕を伸ばすというナチス式敬礼を疑わせるしぐさを見せた後、大笑いした。

 これを受けFIAはコメントを出し、セベリューヒンの行為は「容認できない」とした上で、「即時に調査を開始した」と発表。所属チームのワード・レーシングも、インスタグラム(Instagram)で同選手の解雇を発表した。

 一方、セベリューヒン本人もインスタグラムに動画を投稿し、謝罪の言葉を口にしたが、ナチスのジェスチャーだったことは否定した。

「大勢がナチス式敬礼と受け止めたが、事実ではない。ナチズムを支持したことなど一度もないし、あれは人類に対する最悪の犯罪の一つだと考えている」

「自分はばかだと分かっているし、処分を受ける覚悟はできているけれど、あの行動には何の意図もなかったということをどうか信じてほしい」

 モータースポーツ専門サイトのMotorsport.comは、ロシア自動車連盟(RAF)も今回の件を調査していると報道し、「たとえ故意でなくても、ロシアモータースポーツ界およびロシア選手の間で、ファシズムやナチスを想起させる表現は容認できない」とする連盟のコメントを伝えている。

 FIAはロシアのウクライナ侵攻を受け、ロシア選手の出場を禁止しており、今大会のセベリューヒンはイタリアのライセンスで参加していた。(c)AFP