【4月11日 AFP】男子テニスのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic)が10日、復帰戦となるモンテカルロ・マスターズ(Monte-Carlo Rolex Masters 2022)を前に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種拒否をめぐる騒動で欠場が続いた時期は「精神的に難しかった」と認めつつ、現在は「前へ進んでいる」と話した。

 世界ランキング1位のジョコビッチだが、今季はここまで2月のドバイ選手権(Dubai Duty Free Tennis Championships 2022)での3試合にしか出場していない。

 全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2022)ではメルボルンから追放されて10回目の優勝に挑戦できず、その後もコロナワクチンに対する姿勢を断固として変えなかったため米入国を認められず、BNPパリバ・オープン(BNP Paribas Open 2022)とマイアミ・オープン(Miami Open 2022)も欠場した。

 欧州でのクレーコートシーズンの幕開けを飾る、権威あるモンテカルロ・マスターズを前に、ジョコビッチは「6か月で6試合というような事態にならないことを願っている、ここ3、4か月は精神的に難しかった。しかし、自分は今ここにいる。もう切り替えたし、前へ進んでいる」と話した。

「乗り越えられない傷が残ったとは思わないし、そんなことはまったくない。これからは発奮材料に使っていくつもりだ」

 ジョコビッチが不在の間、長年のライバルであるラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)が全豪を制して四大大会(グランドスラム)通算21勝目を挙げ、ジョコビッチとロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)と並んでいたところから抜け出した。世界ランキングでも、短期間ながらダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev、ロシア)にトップを奪われたが、その後返り咲いて1位在位は通算364週(4日付)に伸びている。

 ジョコビッチは「今週の初めはおそらくベストの自分は出せないだろうし、それは理解している」と認めつつ、「言ってみれば、今はまだエンジンの試運転を行い、自分のテニスを構築している段階だ。だからもちろん、本当の意味で調子をつかみ、どうしても必要な戦えるプレーを取り戻すには、何試合か時間がかかるだろう」と続けた。

 コート外での騒動はあったが、グランドスラムのタイトル獲得への意欲は失っていないと強調している。今大会の初戦は、1回戦でマルコス・ギロン(Marcos Giron、米国)を退けたアレハンドロ・ダビドビッチ・フォキナ(Alejandro Davidovich Fokina、スペイン)との対戦になる。

 ジョコビッチは「昨年のローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)優勝は今もよく覚えているから、それを刺激にし、できるだけいい形でクレーコートシーズンを滑り出したい」と意気込んだ。(c)AFP