【4月11日 AFP】ウクライナ当局は10日、同国北部のチョルノービリ(チェルノブイリ、Chernobyl)原子力発電所を占領していたロシア軍の兵士が、研究所から放射性物質を盗み出したことを明らかにした。兵士は被ばくにより死に至る恐れがあるという。

 ロシア軍は、ウクライナ侵攻初日の2月24日にチョルノービリ原発を制圧。先月31日に撤退するまで、原発周辺の高放射線地域を1か月以上占領していた。

 原発の立ち入り禁止区域を管理するウクライナ政府機関はフェイスブック(Facebook)への投稿で、ロシア兵が同区域の研究所2か所で略奪を行い、保管庫から高放射性物質133個を盗み出したと説明。たとえわずかな量でも、扱い方を間違えば死に至る可能性があると警告した。

 ウクライナのヘルマン・ハルシチェンコ(German Gulashchenko)エネルギー相は8日、ロシア兵が汚染度の高い場所で塹壕(ざんごう)を掘るなどして「衝撃的な」量の放射線にさらされ、中には余命が1年に満たない兵士もいる可能性があるとの見方を示していた。(c)AFP