【4月10日 AFP】サッカー、ウクライナ1部のシャフタール・ドネツク(Shakhtar Donetsk)は9日、チャリティーマッチ「フットボール・フォー・ピースツアー(Football for Peace Tour)」の初戦でギリシャ1部リーグのオリンピアコス(Olympiacos)と対戦し、選手はロシア軍に抵抗する都市の名前と「停戦」を求めるスローガンがプリントされたユニホームをまといプレーした。

 試合はウクライナのファン数百人を含む約5000人が観戦する中、オリンピアコスが1-0で勝利した。チケットは10ユーロ(約1350円)で販売され、収益は戦闘が続く国を離れた数百万人のウクライナ人を支援するチャリティー団体に寄付される。

 会場のスタディオ・ヨルギオス・カライスカキス(Karaiskakis Stadium)の数百の座席には、避難した子どもたちに寄付されるおもちゃが置かれていた。  

 しかし、オリンピアコスのサポーター団体「ゲート7(Gate 7)」は、「(クリミア危機が起きた)2014年に始まったこの特殊な戦争は、双方の犯罪により汚名が着せられており、止めなければならない。時を超えたわれわれと他のチームとのつながりは、どちらか片方を支持することを良しとしない」として、観戦をボイコットした。

 不協和音はあったものの、主催者側は試合の象徴する意味を強調した。オリンピアコスのスポーティングディレクター(SD)を務める元フランス代表のクリスティアン・カランブー(Christian Karembeu)氏は、「戦争への意識を高めるためのこのイベントを開催できて光栄だ。われわれはフットボールを平和のツールとして使う」とコメントした。

 また、シャフタールのセルゲイ・パルキン(Sergei Palkin)最高経営責任者(CEO)は、「この試合の中でウクライナの戦争と平和について話がしたい。この狂気を終わらせ、通常の生活に戻り、国を再建する必要性について語りたい」と話した。

 試合前には戦争の犠牲者に黙とうがささげられ、観戦したギリシャのニコス・デンディアス(Nikos Dendias)外相は、ウクライナのチームが同国でツアーを開始した意義を強調した。

 今後シャフタールは、4月14日にポーランド・グダニスク(Gdansk)でレヒア・グダニスク(Lehya Gdansk)と、同19日にトルコ・イスタンブールでフェネルバフチェ(Fenerbahce)と、そして5月1日にクロアチアのハイデュク(Hajduk)でハイデュク・スプリト(Hajduk Split)と対戦する。(c)AFP