【4月8日 AFP】世界反ドーピング機関(WADA)とワールドアスレティックス(World Athletics、世界陸連)は7日、イタリア男子競歩のアレックス・シュバーツァー(Alex Schwazer)の検体がドーピング検査で陽性反応を示した問題で、昨年同国の判事が不正操作によるものと判断したことに反論した。

 WADAと世界陸連の独立不正防止機関「アスレチックス・インテグリティ・ユニット(AIU)」は共同発表文で、委託した報告書では裁定が「誤り」であり、その判断に至る理論が「信じがたい」ものと示されていると述べた。

 2008年北京五輪の男子50キロ競歩で金メダルを獲得したシュバーツァーは、2016年リオデジャネイロ五輪を控えた検査でアナボリックステロイドの陽性が判明し、8年間の資格停止処分を受けたが、不正操作の犠牲になったと主張していた。

 2016年1月1日に採取された同選手の検体は、当初は陰性結果が出ていたものの、同年5月に実施された2回目の分析では禁止薬物の痕跡が見つかった。スポーツ仲裁裁判所(CAS)は同年、シュバーツァーの異議申し立てを棄却した。

 これを受け、シュバーツァーの地元であるイタリア南チロル(South Tyrol)の都市ボルツァーノ(Bolzano)の捜査判事は、同選手の刑事訴訟手続きを開始。その後、検察が不起訴にすると、判事は検体に混入物があったと断定し、2021年2月にシュバーツァーが潔白であると判断した。

 判事は捜査報告書の中で、検体は「当該アスリートを失格にして名誉を失墜させるべく、陽性結果を得るために手が加えられていた」ことを確認したと記していた。(c)AFP