【4月8日 東方新報】中国政府は最近、「国民の健康増進のため公共の運動スペースを拡大する」という方針を表明した。2025年までに運動施設の面積を1人当たり2.6平方メートル確保し、定期的に体を鍛える市民を人口の38.5%に到達させるとしている。2020年の国勢調査時の総人口14億1178万人で計算すると5億4353万人となる。

 中国政府は2014年にも同様の方針を発表しており、2025年までに運動施設の面積を1人当たり2平方メートル確保し、定期的に運動する人口を5億人に到達させるとしていた。今回はその目標を上方修正しており、新たな施策として「住宅街を新たに建設する場合、地域に公共運動スペースを構築する」ことを盛り込んだ。基準として「住民1人当たり0.1平方メートル以上の屋内スポーツ施設を造るか、1人当たり0.3平方メートル以上の屋外スポーツ施設を造る」と明示。事前計画の段階で審査し、基準を満たさなければ建設を許可しないという。また、現行の住宅街でも未使用の土地を活用して運動スペースを設けるよう要求。各地の行政や事業者に運動スペースの確保を求めている。

 中国で公共の運動スペースというと、各地にある公園がその役割を担ってきた。日本の公園にはたいてい子ども向けの遊具が設置されているが、中国では大人も使える健康器具が備え付けられている。左右独立したペダルに足を載せて両足を前後させる「太空漫歩機」をはじめ、ぶら下がりやけんすいができる鉄棒、腹筋や背筋ができる傾斜したベンチ、円盤に両足を乗せて腰をツイストする回転器具など、ちょっとした簡易スポーツジムのようだ。定年後の高齢者が昼間から体を動かしている光景がよく見られる。早朝は太極拳、夜は大音響を鳴らして中高年の女性たちが集団でダンスをするなど、公園は幅広い運動の拠点となっている。さらに最近はサッカー場やバスケットボール、テニスのコートのある「スポーツパーク」の整備が各地で進んでいる。

 今回の方針では、国営企業や学校に体育館、グラウンドなどを開放することも指示。景観が楽しめる各地の山や森などに遊歩道を設けるよう求めている。

 中国では経済成長に伴いライフスタイルの都市化や食生活の変化が進み、心臓や脳・血管の疾患、がん、糖尿病などが増加している。また、今年中にも人口減少が始まり、本格的な少子高齢化時代が到来する。社会保障費が増大となれば経済成長の大きな足かせとなる。健康ブームが続く中国ではフィットネスクラブが次々誕生し、コロナ禍でもオンラインフィットネスが流行しているが、無料で体を動かせる公共スペースを増やして幅広い層のニーズに対応しようとしている。

 国家発展改革委員会社会発展局の王暁理(Wang Xiaoli)局長は「すべての人々に運動用の公共スペースを提供し、健康のため運動を習慣にすることを社会的なファッションにしたい」と強調する。一人一人の健康を増進し、国家全体の「健康」をキープしようとしている。(c)東方新報/AFPBB News