【4月7日 AFP】ジンバブエ政府はこのほど、新しく100ジンバブエ・ドル紙幣を導入すると官報で公示した。導入日は未発表。現行通貨で最高額紙幣となるが、米ドル換算では約0.68ドル(約84円)で、パン半斤がやっと買える金額にすぎない。

 新紙幣導入の背景にはインフレ率の上昇がある。2月に66.1%だったインフレ率は、3月には72.7%に上昇し、ハイパーインフレーション再来への懸念が高まった。

 ジンバブエでは2008年、超インフレで物価高騰に歯止めが利かなくなり、中央銀行が100兆ジンバブエ・ドル紙幣を発行した。この紙幣は現在コレクターズアイテムとなっている。

 翌09年に発足した連立政権はジンバブエ・ドルを廃止し、米ドルと南アフリカの通貨ランドを法定通貨に採用した。だが、政府は19年にジンバブエ・ドルを再導入。通貨価値は米ドルと等価と規定した。

 6日時点の公式為替レートは1ドル=145.6ジンバブエ・ドルだが、闇市場では260ジンバブエ・ドルで取り引きされている。(c)AFP