マリで民間人300人殺害 ロシア人戦闘員も関与か HRW
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【4月6日 AFP】国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は5日、西アフリカのマリで3月末に同国軍とロシア人とみられる外国人戦闘員が民間人推計約300人を殺害したとする報告書を公表した。
複数の証言によると、マリ兵と白人の外国人戦闘員が3月27日、ヘリコプターで中部の町ムラ(Moura)に到着。イスラム武装勢力約30人と交戦した。武装勢力の一部が住民に紛れ込もうとしたことから、マリ兵らはその後数日にわたって人々を拘束し、小集団に分けて殺害したとされる。
殺害された人の大多数はフラニ人という。
HRWは「マリで10年続く武力紛争で報告された中で最悪の残虐行為」と指摘し、戦争犯罪に当たる可能性を示唆している。
民間人殺害の情報がソーシャルメディアで拡散されたことを受けて、マリ軍は今月1日、ムラでイスラム武装勢力203人を殺害したと発表した。
HRWの調査に応じた複数の目撃者や情報筋によると、外国人戦闘員はロシア人だったとされる。
2012年から紛争が続く貧困国マリに対し、ロシアは「軍事教官」と称して人員を派遣してきた。
米仏などはこうした人員について、ロシア民間軍事企業「ワグネル(Wagner)」の傭兵(ようへい)だと指摘している。
マリ軍事政権はそうした指摘を否定するとともに、同国軍は人権侵害を行っていないと主張している。
マリ軍は5日夜の声明で、「テロリスト」集団と激しい戦闘を繰り広げたと説明。ムラを奪還した後、住民に紛れ込んだ「テロリスト」も特定したとしている。(c)AFP