【4月5日 AFP】北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン、Kim Yo Jong)朝鮮労働党副部長は5日、韓国軍が「先制攻撃」を仕掛けてくれば、北朝鮮は核兵器を使って韓国軍を「せん滅する」と述べた。朝鮮中央通信(KCNA)が報じた。

 与正氏の警告は、韓国の徐旭(ソ・ウク、Suh Wook)国防相が1日、「北朝鮮によるミサイル発射の兆候が明白になった場合、北朝鮮内のいかなる目標も正確かつ迅速に攻撃する能力を有する」ミサイルを韓国軍は保有しているとの発言を受けたもの。

 同通信によれば、与正氏は、「愚かな」徐氏が核施設に対する先制攻撃の議論を持ち出したことは「非常に大きな過ちだ」と反発。「韓国がわが国との軍事衝突を選択するなら、われわれの核戦闘部隊は任務を遂行せざるを得なくなる」と警告した。

 核戦闘部隊の「一義的な任務」は抑止力として機能することにあるが、仮に武力衝突が発生した場合には「敵部隊をせん滅する」ため核攻撃することになると説明。「恐ろしい攻撃」の結果、韓国軍は「ほぼ壊滅という悲惨な運命」に直面することになるだろうと語った。

 また、韓国軍について「わが軍にとって取るに足りない相手だ」と述べた。

 与正氏は2日にも、徐氏の「無謀な発言」について、「災厄を免れたければ自らを律するべき」だとけん制していた。

 北朝鮮は今年に入り、前例のない規模でミサイル発射実験を行っている。3月には2017年以来となる大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した。(c)AFP