「静寂を音楽で満たしてほしい」 ウクライナ大統領、グラミー賞に動画で登場
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【4月4日 AFP】(更新)米ネバダ州ラスベガスで3日に行われた第64回グラミー賞(Grammy Awards)の授賞式に、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領がサプライズで「登場」した。
ゼレンスキー大統領は事前収録された動画で「破壊された街と殺された人々の沈黙。それ以上に音楽と正反対のものはあるだろうか」と問い掛けた。「ウクライナのミュージシャンはタキシードの代わりに防弾チョッキを着て、負傷した人たちのために病院で歌っている」と語った。
「私たちは生きて、愛して、音楽を奏でることができる自由を守り抜く」
ゼレンスキー氏はさらに「わが国は、爆撃で恐ろしい静寂をもたらしたロシアと戦っている。沈黙が訪れた。この静寂をあなた方の音楽で満たしてほしい。きょう、私たちの物語を伝えるために」と訴え掛けた。
ウクライナの首都キーウ近郊でロシア軍が民間人を多数殺害したとして、同国に対する非難が国際的に高まっている。ゼレンスキー氏は、ロシア側が市民を「拷問」したり、「殺害」したりしていると主張してきた。
「ソーシャルネットワークやテレビで戦争の真実を語ってほしい。自分にできる方法で私たちを支援してほしい。沈黙しないでほしい」と、ゼレンスキー氏は話した。「そうすれば平和が訪れる」
同氏のメッセージ動画は、米歌手ジョン・レジェンド(John Legend)さんと、ウクライナの歌手ミカ・ニュートン(Mika Newton)さん、詩人リューバ・ヤキムチュク(Lyuba Yakimchuk)さんによるパフォーマンスに先立ち流された。(c)AFP