【4月3日 AFP】スリランカで3日、野党議員らが経済危機に抗議するデモを夜間外出禁止令を無視して決行した。軍や警察部隊はこれを阻止。当局は国民の不満を封じ込めるためソーシャルメディアの利用停止に乗り出した。

 スリランカは現在、1948年に英国から独立して以来最悪となる経済危機下にあり、物価高騰や生活必需品の不足、大規模な停電に見舞われている。

 抗議デモが広がる中、ゴタバヤ・ラジャパクサ(Gotabaya Rajapaksa)大統領は1日、全土に非常事態宣言と3日朝までの夜間外出禁止令を発令した。

 3日にはデモ封じ込めのためソーシャルメディアが停止された。最大野党の統一人民戦線(SJB)はこれに反発。政権に対し、退陣の時が来たと非難した。

 100人を超える野党議員や支持者が、野党指導者サジット・プレマダサ(Sajith Premadasa)氏の自宅から最大都市コロンボ(Colombo)の独立広場(Independence Square)を目指して行進。軍や警察がこれを阻止するため出動した。

 夜間外出禁止令を受けて軍や警察がコロンボ各地で厳重な警備に当たったが、警察や住民によると、数百人が禁止令を無視してコロンボの複数の地区で小規模デモを実施。デモは平和的に終わったという。

 通信事業者は利用者に対し、治安当局の指示により、3日からフェイスブック(Facebook)、ユーチューブ(YouTube)、ツイッター(Twitter)、インスタグラム(Instagram)、ワッツアップ(WhatsApp)などのソーシャルメディアの利用が停止されたと伝えた。

 民営メディアは、ソーシャルメディア停止後に、インターネット規制当局トップが辞任したと報じた。(c)AFP/Amal JAYASINGHE