【4月2日 AFP】ウクライナ当局は1日、同国北部のチェルノブイリ(Chernobyl)原子力発電所を制圧したロシア軍の兵士が、原発周辺を4週間にわたり占拠していた間に放射線にさらされた可能性が高いとの見方を示した。

 チェルノブイリ原発は先月31日、首都キエフの北方地域でのロシア軍撤退に伴い、ウクライナ軍の支配下に戻った。

 ウクライナの国営原子力企業エネルゴアトム(Energoatom)によると、ロシア軍の兵士は同原発を占拠中、最も汚染度の高い場所で塹壕(ざんごう)を掘っていたほか、車両の走行により放射性物質を含む粉じんを巻き上げたとみられる。

 エネルゴアトムは、これによりロシア兵が「相当量」の放射線にさらされた可能性があるとしている。国際原子力機関(IAEA)は31日、ロシア兵が被ばくしたという情報について、「独立した分析を行うためにさらなる情報を収集している」と説明していた。

 同原発の責任者によれば、放射線監視システムなどを含め、原発の設備はすべて正常に機能しているという。(c)AFP