希望の終焉、暗黒の時代再び ロシア人権活動家
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■去り行く若者
元数学教授のガンヌシキナ氏は、1990年に「市民支援委員会(Civic Assistance Committee)」を設立し、91年のソ連崩壊に伴う紛争で家を追われた人を支援してきた。「若者は危険を感じ、無力感を覚えて去っていく。そして、私たちは狂気の中に取り残されている」と語る。
ガンヌシキナ氏も「メモリアル」の活動に参加し、2012年に辞任するまでロシア大統領府人権評議会の委員を務めた。事務所の壁には今もプーチン氏の署名の入った感謝状が飾られている。
現在も支援を求める人に直接会い、法律面の助言や仕事・住宅探しの手助け、社会から疎外されている人の人権擁護など、精力的に活動している。
ロシアを離れることは考えていないが、子どもや孫が外国に住んでいることに安堵(あんど)している。「ここ(ロシア)にいなくてよかった。おかげで私は自分の考えを誰にでも、どこででも言える」
ガンヌシキナ氏は、深く失望している。「私たちには、民主主義体制で統治される他の連邦国家のような普通の連邦を造る機会があったのに、それを逃してしまった」
今できることは「時が過ぎ、再び機会が巡って来るのを願うことだ」と語った。「でも、私がそれを目撃することは恐らくないだろう」 (c)AFP/Michael MAINVILLE