【4月2日 AFP】英イングランド中部ストークオントレント(Stoke-on-Trent)の陶磁器メーカー「ゴビエ(Goviers)」では今、エリザベス女王(Elizabeth II)の在位70周年「プラチナジュビリー(Platinum Jubilee)」の記念品作りにいそしんでいる。

「こんなことは二度とないでしょう。他の女王や王が70年間も在位する機会に私たちが立ち会う時はないでしょうから。大変なことです」。同社のオーナー、サイモン・ウィリス(Simon Willis)氏(58)はAFPに誇らしげに語った。

 エリザベス女王が即位したのは1952年2月6日。今年6月には記念式典が予定されている。

 ゴビエでは昨年7月から、英国伝統の花柄をあしらったプラチナジュビリー記念のカップやソーサーを販売してきた。

 商品が出来上がるまでは繊細な作業を要する。絵柄を印刷したシートをカップやプレートに手作業で丁寧に転写した後、仕上げの金彩を筆で入れ、最後に高温で焼く。値段は小さなカップで45ポンド(約7200円)、大きなプレートは175ポンド(約2万8000円)だ。

 顧客の多くは英国内のコレクターであるため、プラチナジュビリーの記念商品に関しては迷わず新作を打ち出した。「コレクターは、女王の結婚式や戴冠式など、さまざまな行事を記念したプレートを持っているはずです」とウィリス氏。「それが伝統なのですが、いかにも英国らしいと思います」

「陶磁器の素晴らしいところは(中略)今日作られたものが、大事に扱えば、私の息子の次の代まで残ることです」とウィリス氏は言う。

 そんなウィリス氏には、特に感銘を与えたい顧客がいる。

「女王が膨大な陶磁器コレクションを持っていることはよく知られています。でも、私たちが手掛けた品のいくつかは、女王陛下の手に渡るかもしれません」 (c)AFP/Valentine GRAVELEAU