【3月29日 AFP】ロシアメディアは28日、南部チェチェン(Chechen)共和国のラムザン・カディロフ(Ramzan Kadyrov)首長が、ロシア軍が包囲するウクライナ南東部マリウポリ(Mariupol)に入り、同共和国の部隊を激励したと報じた。

 チェチェンのアフメド・ドゥダエフ(Akhmed Dudayev)国政相がロシア通信(RIA)に語ったところによると、カディロフ氏は軍装備品などの支援物資と共にマリウポリ入りし、ロシアのウクライナ侵攻に加わっているチェチェン部隊の士気を鼓舞した。

 RIAは、カディロフ氏とロシアのアダム・デリミハノフ(Adam Delimkhanov)下院議員、チェチェン兵約20人の集合写真を公開。中には少年のような兵士も交じっており、部屋にはロシア国旗が飾られていた。

 カディロフ氏はロシア国家親衛軍にも所属している。ドゥダエフ氏によると、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領はカディロフ氏を少将から中将に昇進させた。

 ウクライナ当局はロシア軍のアンドレイ・モルドビチェフ(Andrei Mordvichev)中将を殺害したと主張している。しかし、ロシアのテレビ局は、カディロフ氏がマリウポリでモルドビチェフ中将とされる人物と面会する場面を放映した。ドゥダエフ氏も、カディロフ氏がモルドビチェフ中将らとの会議に出席したと述べた。

 カディロフ氏はメッセージアプリのテレグラム(Telegram)に「全力を傾けてマリウポリで掃討作戦を行っている」と投稿。「ロシア兵が建物を一軒一軒しらみつぶしに捜索し、マリウポリをナチス(・ドイツ、Nazi)の賊どもから解放している」と主張した。

 さらに「わが隊はいつも通り士気旺盛だ。嵐だろうと大口径の火器による砲撃だろうと、わが隊の勝利への意志はくじけない」として、「間もなくマリウポリを完全に解放できるだろう」と述べた。(c)AFP