【3月29日 AFP】昨年ノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)を受賞したドミトリー・ムラトフ(Dmitry Muratov)氏が編集長を務めるロシアの独立系紙「ノーバヤ・ガゼータ(Novaya Gazeta)」は28日、同国政府によるウクライナでの軍事行動が終了するまで発行を停止すると発表した。

 ミハイル・ゴルバチョフ(Mikhail Gorbachev)元ソ連大統領らが1993年に設立した同紙は、ロシアでウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領を批判し続けている唯一の大手紙。

 同紙によると、ロシア連邦通信・情報技術・マスコミ監督庁(ロスコムナゾール、Roskomnadzor)から、先週以降で2度目となる正式警告があった。同庁からの警告を1年間に2回受けたメディアは、裁判所によって閉鎖される可能性がある。

 ムラトフ氏は発行停止について、完全閉鎖を避けて同紙を「救う」ための困難な決断だったと説明。ロシアのウクライナ侵攻をめぐる同紙の報道と、両国の「損失と破壊」の程度を推定する試みが、正式警告を受けた理由となったとしている。(c)AFP