【3月24日 AFP】フィギュアスケート世界選手権(ISU World Figure Skating Championships 2022)に出場するため、6日間かけてフランス・モンペリエ(Montpellier)にたどり着いたソフィヤ・ホリチェンコ(Sofiia Holichenko)/アルチョム・ダレンスキー(Artem Darenskyi)組が23日、「ウクライナのアスリートが祖国のために戦っている姿を見せるため」過酷な旅に出たと話した。

 20歳のダレンスキーは「世界選手権の出場資格を得ていたので、世界にウクライナのアスリートが戦っていること、私たちが国のためにそこにいること、私たちは強いということを示しにここに来ました」と話した。

 ウクライナ東部ドニプロ(Dnipro)から来た17歳のホリチェンコは「とても複雑な道のりで、6日くらいかかった」と話した。ホリチェンコの家族は首都キエフにいるという。

 家族や友人の多くが「軍と一緒にいる」と明かしたホリチェンコは、「私たちは最初ルーマニアに、次にイタリアに入り、イタリアからポーランドに渡ってここに来ました。本当にたくさんのサポートを感じました」と続けた。

 ショートプログラム(SP)でホリチェンコ/ダレンスキー組には、観客からスタンディングオベーションが送られた。しかし、同ペアは24日夜に行われるフリースケーティング(FS)では演技には臨まないと決めた。

「コーチと私たちはFS辞退を決断しました」と語ったホリチェンコは、「北京冬季五輪以降は練習していないので、滑る準備ができていません。五輪後少し休んでいたら戦争が始まったのです」と続けた。

 ウクライナペアは世界選手権後、ドニプロに帰れないため、地元のクラブが受け入れを表明しているポーランドのトルン(Torun)へと向かうこととなる。(c)AFP