【3月24日 CNS】中国・広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)梧州市(Wuzhou)の山中に132人乗りの旅客機が墜落した事故で、現場近くで作業をしていた男性が事故の状況を語った。

 墜落した旅客機は、中国東方航空(China Eastern Airline)のMU5735便。昆明市(Kunming)から広州市(Guangzhou)へ向かう途中の21日午後2時38分、梧州市藤県(Teng)の山間部に墜落した。乗客123人、乗員9人が搭乗していた。

「突然大きな爆発音がして、近くの山から黒煙が巻き上がった」。21日夜、李晨賓(Li Chenbin)さんは電話取材で事故の様子を語った。

 李さんは通信事業大手・中国移動(チャイナモバイル、China Mobile)傘下の広西移動通信に務めるネットワーク技術者。事故現場から直線距離で200メートルほどの場所で作業をしていた。爆発音を聞いて同僚とすぐに現場に駆けつけ、旅客機の残骸を見て警察に連絡したという。

「現場の痕跡を見ると、旅客機は村道から約100メートル離れた山の斜面に当たり、竹林を滑っていったようだ。機体はバラバラで破片が飛び散らかっており、生存者は見当たらなかった」

 現場には消防隊や警察、医療チーム、さらに軍の救助隊が駆けつけ捜索活動を展開。夜間も投光器や照明用ドローンを使って捜索を続けた。李さんも通信網の確保に加わった。現場に近い小学校に臨時指揮所が設置され、22日以降も捜索は続いている。

 周辺の住民はボランティアチームを結成し、オートバイでテントや食料、ミネラルウオーターを運んでいる。住民の陳剣華(Chen Jianhua)さんは「険しい山道はバイクでなければ速く走れない。1人でも多くの人を救うため努力したい」と話す。現場には乗客らが救出された時に備えた医療チームが待機し、献血を希望する住民も多い。

 また、乗客らの家族のためバスやタクシーが用意され、臨時宿泊先として藤県のホテルが用意されている。旅客機の目的地だった広州白雲空港(Guangzhou Baiyun International Airport)には、家族らのための臨時待合室が設けられている。

 中国の民間航空機は137か月連続(計1億時間)で無事故を続けていた。前回の事故は2010年8月、黒竜江省(Heilongjiang)伊春市(Yichun)の空港で旅客機が着陸に失敗した。(c)CNS/JCM/AFPBB News