【3月24日 AFP】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は23日、フランス議会でオンライン形式の演説を行い、自動車大手ルノー(Renault)などの仏企業に対してロシアからの撤退を呼び掛けた。

 トレードマークとなった緑色のTシャツを着て約15分間演説したゼレンスキー氏は、「フランス企業はロシア市場から撤退しなくてはならない」と言明。ルノーの他、スーパー大手オーシャン(Auchan)、ホームセンター大手ルロワ・メルラン(Leroy Merlin)を名指しし、「ロシア軍事機関の支援」を停止するよう訴えた。

 ゼレンスキー氏はここ数週間にわたり、各国の支援を得るために西側諸国の議会で演説を行っている。フランス議員は演説開始前、ウクライナと同国駐仏大使に3回のスタンディングオベーションを送った。

 ゼレンスキー氏は他国議会での演説と同様、フランスの歴史上の悲劇を引き合いに出し、マリウポリ(Mariupol)などのウクライナ都市での窮状は「誰もが目にしたことがある第1次世界大戦(World War I)の写真に写ったベルダン(Verdun)の荒廃を想起させる」と指摘。「ロシア軍は標的を区別しない。住宅街や病院、学校、大学を破壊している」と訴えた。

 仏政府が株式の一部を保有するルノーは先月、ロシアによるウクライナ侵攻を受けてモスクワ近郊の工場での生産を停止。だがその後、生産を再開したと報じられている。ロシアではコカ・コーラ(Coca-Cola)やマクドナルド(McDonald's)をはじめとした西側諸国の主要企業が事業を停止した一方で、オーシャンやルロワ・メルランを含む仏小売り大手は営業を継続している。(c)AFP