【3月17日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領(69)との対話は緊張と対立を伴い、交わされた約束が持続するのはまれだ。それでもフランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領(44)は、一連の電話会談は意味あるものだったと信じている。

 マクロン氏はここ1か月、どの国の首脳よりもプーチン氏との対話に時間を割いてきた。ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、西側諸国とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領を代表し、ロシア政府に対する外交面での働き掛けを主導した。

 先月7日にモスクワを訪問した際には、6時間近くも対面で会談した。その後も10回、電話会談を行っている。会談はマクロン氏から提案することもあれば、プーチン氏が希望することもあった。

 AFPのまとめでは、両首脳は過去5週間で累計約20時間対話している。

 しかし、これまでのところ、侵攻を停止させたり、市民の犠牲を抑制したりするなど大きな成果にはつながっていない。何のための対話なのか、なぜそこまでするのかといった疑問の声も上がっている。

 マクロン氏の側近はオフレコのブリーフィングで、マクロン氏にとって「困難な」対話を行うことを通じて西側諸国の新たな制裁をプーチン氏に警告し、「選択肢を提示する」機会となっていると強調した。

 マクロン氏は、自身にはプーチン氏に現実を直視するよう促す役目があるとも考えている。

 今月3日の電話会談では、プーチン氏がゼレンスキー政権を「ナチス(Nazis)」だと呼ぶと、マクロン氏はそれは「うそだ」と返した。「自分自身に作り話を言い聞かせているか、口実を探しているだけだ。あなたが言っていることは現実に即していない」と反論した。

 マクロン氏の側近は先週末、プーチン氏が電話会談を続けようとしていること自体、同氏がまだ「外交的解決を排除していないことを示している」と指摘した。