【3月23日 AFP】カリブ海(Caribbean Sea)の島国ジャマイカの首都キングストンで22日、英国のウィリアム王子(Prince William)とキャサリン妃(Catherine, Duchess of Cambridge)の公式訪問に抗議し、過去の奴隷貿易への賠償や謝罪を求めるデモが行われた。

 王子夫妻はエリザベス女王(Queen Elizabeth II)の在位70年を記念してカリブ海諸国を歴訪しており、ジャマイカには22日から3日間滞在する。

 しかし、王子夫妻の到着前、英大使館前にプラカードを手にしたデモ隊が集結。英王室が関与した奴隷貿易への賠償と謝罪を要求した。ジャマイカには何十万人ものアフリカ人が奴隷として連れて来られ、非人道的な環境で酷使された。

 デモ参加者のクレメント・デスランズ(Clement Deslandes)さんは、王族が何の配慮もなく、良心の呵責(かしゃく)もなくここに来るのは祖先への侮辱だと非難。「祖先や奴隷として死んだ人、白人による抑圧で殺害された全員を代表して私はここにいる」と訴えた。

 ジャマイカでは、バルバドスに続きエリザベス女王を元首とする立憲君主制を共和制に移行することを求める声も高まっている。

 王子夫妻は最初の訪問国ベリーズでも、先住民族コミュニティーからの苦情を受けて村への訪問を中止したとされる。(c)AFP