【3月21日 AFP】ウクライナ北東部スムイ(Sumy)の州知事は21日、肥料工場からアンモニアが流出したとして、付近の住民に避難を呼び掛けた。スムイでは、ロシア軍との激しい戦闘が続いている。

 州知事によると、工場の周囲2.5キロに影響が及んでいる。被害の程度や原因は今のところ分かっていない。風向きから、市内に影響が及ぶ危険性は低いという。アンモニアは空気より軽いため、建物の地下や低層階に避難するよう指示が出されている。

 ウクライナ救急当局は同日午前7時45分、今回の出来事は「終わった」とツイッター(Twitter)に投稿した。

 ロシア政府は、ウクライナが即席で作った化学兵器の使用を準備をし、大量破壊兵器をひそかに開発しているといったプロパガンダや偽情報の発信を強化している。

 ロシア国防省は20日夜、「ウクライナの民族主義者がロシア軍の市街地への侵入に備え、スムイの住民を大量に毒殺する目的で」、工場のアンモニアと塩素の貯蔵施設に地雷を設置したと主張した。

 ロシアは11年に及ぶシリアの内戦で、シリア政府による化学兵器使用を支援した疑いがあるが、繰り返し否定している。(c)AFP