【3月21日 AFP】20日に行われたテニス、BNPパリバ・オープン(BNP Paribas Open 2022)男子シングルス決勝でテイラー・フリッツ(Taylor Fritz、米国)に敗れ、今季開幕からの連勝が20で止まったラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)が、クレーコートシーズンが近づく中で新たなけがの問題を口にした。

 ナダルはこの日苦しめられた上半身の負傷について多くを語ろうとはせず、「きょうは彼(フリッツ)の日だった」と強調したが、敗戦による落胆と、この後のクレーシーズン、さらには14回目の優勝が懸かる全仏オープン(French Open 2022)にも絡む不安は隠せなかった。

 ナダルはダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev)との激闘を制して優勝した全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2022)、その後のメキシコ・オープン(Abierto Mexicano TELCEL Presentado Por HSBC 2022)優勝、そして今大会と続いた春のハードコートシーズンについて、「正直に言えば、全勝でクレーへ向かいたかった」と話した。

 4回目のBNPパリバ・オープン制覇を果たせなかったことについては「正直なところ残念だが、それは自分が戦えなかったからだ」と悔しがった。

 準決勝のカルロス・アルカラス(Carlos Alcaraz、スペイン)戦の終盤からは、体の痛みと呼吸困難にも苦しめられ、決勝では2回にわたって治療を受けた。診断結果はまだ出ていない。

 ナダルは「痛みはあった」と認めると、胸を指しながら「呼吸の問題があった。あばら骨の問題なのか何なのかはまだ分からないが、息をしたり、動いたりすると、このあたりに針がずっと刺さっているかのようだった」と明かした。

「痛みで少しめまいがするときもあった。かなり(プレーが)制限されるタイプの痛みだった。痛みだけでなく、呼吸にも影響するから気分もよくなかった」

 全豪オープンで男子最多となる四大大会(グランドスラム)21勝目を挙げたナダルだが、これ以外にも近年はけがに悩まされている。膝の負傷には何年も苦しめられ、昨シーズンは引退も頭をよぎるほどの足の痛みでシーズンを早めに打ち切った。

 それでもナダルは、復活できたことは喜びだったと話し、当面は新たな体の問題の解決に集中していくつもりでいる。次週のマイアミ・オープン(Miami Open 2022)はすでに欠場を表明している。(c)AFP/Rebecca BRYAN