【3月19日 AFP】ウクライナスポーツ界のレジェンド、セルゲイ・ブブカ(Sergey Bubka)氏は18日、起きている時間は全て母国アスリートの居場所確認作業に費やしていると明かし、電話連絡が途切れた際には選手たちの安否が心配になると語った。

 陸上男子棒高跳びの五輪金メダリストで元世界記録保持者のブブカ氏は、2月24日にロシアが全面侵攻を開始してから一部のアスリートがウクライナの戦闘地域に足止めされていると話した。

 ウクライナ五輪委員会(National Olympic Committee of Ukraine)の会長を務めるブブカ氏は、母国内外にいるできるだけ多くのアスリートを支援したいとしており、「自分の国で起きていることに体の芯まで傷ついているし、この戦争をやめるようにしつこく呼び掛けている」と国際オリンピック委員会(IOC)が公開したインタビューで述べた。

 さらに「アスリートやコーチ、そしてその家族の居場所を特定し、彼らのために最大限できることを探るための調整作業に、日々全ての時間を費やしている」と明かし、「連絡が何度も途切れてしまうので、作業は非常に難航しているし、彼らの安否がとても心配になる」と語った。

 現在58歳のブブカ氏は、この紛争下においてウクライナの男女アスリートを支援することの難しさも口にしている。一部のアスリートやコーチ、そしてその家族は現在も交戦地域に住んでおり、国外にいる他の選手たちも別の助けを必要としているのだという。

 自身も夜中に電話を握りしめたまま眠っていたり、数時間寝るために睡眠薬を飲んだりすることがあるというブブカ氏。午前3時に再び目覚めては電話をかけ始めているといい、「全てのウクライナ人がそうであるように、毎日眠ることに苦労している」と語った。(c)AFP