【3月17日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は16日、西側諸国の経済制裁に直面している国内の一般市民および企業への金融支援を表明するとともに、西側の「経済電撃戦」に打ち勝つため団結を呼び掛けた。

 プーチン氏はテレビ中継された政府の会合で、ウクライナ侵攻について、自身の戦術は「完全に正当化される」と主張。ロシア軍をウクライナに派遣する以外に選択肢はなかったとした。

 その上で、大規模な対ロ制裁に伴う困難を克服するため「結集」するよう国民に要請。「われわれは今、決して楽ではない」としながら、「ロシアに対する経済電撃戦は失敗している」と述べた。

 プーチン氏は「近い将来、社会保障支出を全面的に増やす」意向を表明。ロシア経済には「長期的な課題解決に必要なあらゆる資源」があると強調した。

「現在、確かに試練に直面している」と認める一方で、「われわれは威厳を保ちながら、奮励によって乗り越えられると確信している」と語った。

 プーチン氏は対ロ制裁について「目的は一つ、ロシアの破壊だ」とし、「西側は礼節の仮面を取り、好戦的に振る舞い始めた。ナチス(・ドイツ〈Nazi〉)のユダヤ人に対するポグロム(集団的な破壊・虐殺行為)を想起させるものだ」と述べた。

 さらに、西側はロシア社会の分断を試みていると指摘。「精神的に」西側にくみしている「第五列(スパイ)」が存在すると激しく非難した。

 プーチン氏は「ロシア人は真の愛国者と裏切り者を常に見分けることができる。裏切り者は口に飛び込んできたハエのように吐き出すのみだ」とけん制した。(c)AFP