【3月14日 CNS】2月に行われた北京冬季五輪では、競技会場や選手の生活環境に多くの先端技術が取り入れられた。大会はスポーツの祭典であると同時に「先端技術の祭典」でもあった。

 各国代表が宿泊した選手村では、「重力ゼロ」をうたったスマートベッドがアスリートに好評。レストランには調理ロボットや食品配送ロボットが登場し、新型コロナウイルスの感染防止に一役を買った。

 氷上競技会場では二酸化炭素(CO2)を利用した直接冷却製氷技術を採用し、「最も美しく、最も速く滑れるアイスリンク」と評価された。スピードスケート会場に導入されたカメラ「チーター」は選手と同じスピードで移動し、迫力ある躍動の瞬間をリアルに伝えた。

 五輪会場の電力はすべて風力発電や太陽光発電などの自然エネルギーでまかなわれ、世界初の時速350キロのスマート高速列車は北京会場と張家口(Zhangjiakou)会場の移動をスムーズにした。

 開会式に使われた聖火のトーチは水素燃料を使っており、CO2の排出はゼロ。競技会場もそれぞれ建設時や運営において、CO2の排出量を減らす取り組みがされている。中国は2030年までにCO2排出量をピークアウトさせ、2060年までに排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルを達成する目標を掲げており、クリーンかつグリーン(エコロジー)な五輪を実現した北京大会はまさにその象徴となった。(c)CNS/JCM/AFPBB News