【3月14日 CNS】オリジナルキャラから実在の人物まで、中国のSNS(会員制交流サイト)ではユニークなスタンプが人気を博している。多様なデザインで視覚に訴えるスタンプはある意味、言葉を超えたメッセージ性を持ち、現代人のコミュニケーションにおいてますます重要になっている。

 インスタントメッセンジャーソフト「QQ」や短文投稿サイト「微博(ウェイボー、Weibo)」、メッセージアプリ「微信(ウィーチャット、WeChat)」など、中国で一般的に使用されているSNSではスタンプが特に利用されている。若者世代はかわいらしいものやユニークなスタンプを使い、中高年はSNSに付属している絵文字を使う傾向だ。

 スタンプアーティストが作った人気シリーズも登場している。おどけたカモのキャラクター「小鴨劉(カモの劉ちゃん)」や「不鴨」、頭から草が生えた団子のキャラクター「長草顔団子(長草くん)」、かわいい女の子の「Zuogirl」などは多くのユーザーに使われている。このうち「長草顔団子」は微信やQQで10億回以上ダウンロードされ、使用回数は数百億回に上る。長草顔団子の版権は「北京十二棟文化伝播(Block12 Culture)」が持ち、長草顔団子の作者は同社と契約を結び、高収入を得ている。企業と契約を結ばず、自力でスタンプを売り出す人々も多い。高収入にはならないが、勉強や仕事の合間に創作をするタイプが多い。

 人気のスタンプは関連商品も発売されている。中国版ガチャガチャの盲盒(ブラインドボックス、Blind Box)、マグカップ、キーホルダー、スマホケース、傘、枕など、100元(約1852円)以内の商品が売れている。「Zuogirl」を生み出したアーティストZuogirl(スタンプと同じ名前)は40種類を超えるシリーズを制作。人気が広がるにつれ知的財産権の確保やグッズの開発が必要となっているが、個人では事業展開が困難なため企業とのタイアップを考えているという。

 LINE(ライン)キャラクターグッズの公式通販サイト「ラインフレンズ(LINE FRIENDS)」は5年間で、19か国・地域で160店舗を開設し、12のオンラインショップを営んでいる。中国のスタンプ市場も今後、大きなビジネスに発展する可能性を秘めている。(c)CNS/JCM/AFPBB News