【3月14日 AFP】21-22イングランド・プレミアリーグは13日、第29節が各地で行われ、チェルシー(Chelsea)はカイ・ハヴァーツ(Kai Havertz)の終盤の決勝ゴールでニューカッスル・ユナイテッド(Newcastle United)に1-0で勝利。クラブの将来をめぐる不安を振り払う白星を挙げた。

 ロシアがウクライナに侵攻したことを受け、英政府はウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に近いとされる、ロシア人富豪でチェルシーのオーナーを務めるロマン・アブラモビッチ(Roman Abramovich)氏に制裁を科した。そのためクラブは特別なライセンスを得て経営を続けている状況で、観戦チケットの販売や商業活動が禁止されるといった制限を課されている。

 試合自体は以前とほとんど変わらずに行われ、制裁の発表前にチケットが完売していた本拠地スタンフォード・ブリッジ(Stamford Bridge)には満員の観客が詰めかけた。

 それでも、テクニカル&パフォーマンスアドバイザーのペトル・チェフ(Petr Cech)氏とトーマス・トゥヘル(Thomas Tuchel)監督の試合前のインタビューからは、今季の残り試合の消化を約束する言葉は聞かれなかった。またこのところの数試合と異なり、アブラモビッチ氏の名前を叫ぶファンはいなかったが、アブラモビッチ氏の顔をプリントし、「ローマ帝国(Roman Empire)」とつづりが同じ「ロマン帝国」をたたえる横断幕は残っていた。

 ニューカッスルとしては、ハヴァーツが決勝点を決めるまでピッチにとどまれたことに不満が残る結果になった。ハヴァーツは前半、ダン・バーン(Dan Burn)に肘打ちを浴びせたがイエローカードだけで済み、迎えた89分、ジョルジーニョ(Jorginho)の斜め後方からのボールを巧みにトラップしてゴールを奪取。低調な試合の中で一瞬の質の高さを見せた。

 ハヴァーツは「今はファンのため、みんなで目の前のことに全力を尽くそうとしている。団結しなければならないし、ファンを喜ばせたい」とコメントした。

 この勝利で、チェルシーは来季の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2022-23)に出場できる3位の確保へさらに近づいている。チャンピオンズリーグに出場できれば、財政面でもクラブにとって大きな助けになる。(c)AFP