【3月12日 AFP】クロアチア当局は11日、首都ザグレブにロシア製とみられる軍用無人機が墜落し、複数の車両が損傷したと発表した。負傷者は出ていないという。

 仏パリ郊外のベルサイユ(Versailles)宮殿で開かれていた欧州連合(EU)首脳会議に出席していたクロアチアのアンドレイ・プレンコビッチ(Andrej Plenkovic)首相は10日夜、墜落した軍用無人機について「現時点ではロシア軍とウクライナ軍いずれのものか断定できていない」とした上で、ハンガリーからクロアチア領空に進入したと自国の記者団に述べた。

 プレンコビッチ氏によれば、ハンガリーのオルバン・ビクトル(Viktor Orban)首相は同機について、ルーマニアからハンガリーに進入したと述べている。

 クロアチアのメディアは11日、無人機はウクライナ軍の旧ソ連製偵察機「ツポレフ141(Tu141)」の可能性があるとの専門家の見方を報じた。

 クロアチアとハンガリー、ルーマニアはいずれも北大西洋条約機構(NATO)加盟国。安全保障問題の専門家は、無人機が3か国の領空を侵犯しながら何の措置も取られなかったのは、NATOの不手際だと指摘した。(c)AFP