【3月11日 AFP】北大西洋条約機構(NATO)のイエンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長は11日、訪問先のトルコ南部アンタルヤ(Antalya)でAFPのインタビューに応じ、ロシア軍が侵攻したウクライナ上空に飛行禁止区域を設定する可能性を改めて排除するとともに、ウクライナ侵攻をロシアとNATOの全面的な戦争に発展させてはならないと強調した。

 トルコが主催した外交フォーラムに出席した事務総長は、「われわれには、この紛争がウクライナの国境を超えてロシアとNATOの全面的な戦争に発展するのを防ぐ責務がある」と語った。

 事務総長は飛行禁止区域の設定は「全面戦争に至り、さらなる苦難や死、破壊」をもたらすと警告した。

 さらに、「飛行禁止区域の設定は、宣言して終わりではなく、ロシア機の撃墜準備を整える必要性が生まれることを意味する」と述べた。また、同区域を設定する場合、NATOはウクライナだけでなく、隣国ベラルーシやロシア周辺の防空システムを排除する必要があるとの見解を示した。

 事務総長は、ここ数年のNATO加盟国によるウクライナ軍数万人に対する訓練や軍事装備品の供与が「侵攻しているロシア軍に対する戦いで極めて重要である」ことが証明されたと述べた。一方で、「(ウラジーミル・)プーチン(Vladimir Putin)大統領が無分別な戦争を終わらせることが最も重要だ」と指摘した。(c)AFP