【3月11日 AFP】21-22イングランド・プレミアリーグは10日、第30節の試合が行われ、チェルシー(Chelsea)はノリッジ・シティ(Norwich City)に3-1で勝利。試合直前にはオーナーのロマン・アブラモビッチ(Roman Abramovich)氏に英国政府から制裁が科される出来事があったが、騒動の中でも対応できる力を示した。

 ロシアのウクライナ侵攻を受け、英政府が新興財閥(オリガルヒ)のアブラモビッチ氏に新たな制裁を科したという発表に、チェルシーの選手たちは動揺した状態で敵地キャロウ・ロード(Carrow Road)に乗り込んだ。

 アブラモビッチ氏はクラブを売却する意向を発表していた中で資産を凍結され、クラブにも選手の獲得や契約の更新、チケット販売の禁止といった厳しい措置が科された。

 しかし、仮にチェルシーの未来が不透明だとしてもピッチ上での勢いは健在で、トレヴォ・チャロバー(Trevoh Chalobah)、メイソン・マウント(Mason Mount)、カイ・ハヴァーツ(Kai Havertz)のゴールが、クラブ創設117周年を迎えたこの日のムードを引き上げた。

 3位につけるチェルシーは公式戦の直近10試合で9勝を挙げており、来季の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2022-23)出場権を争う5位マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)にも9ポイント差をつけている。

 今回の制裁がチームに与え得る影響について問われたチェルシーのトーマス・トゥヘル(Thomas Tuchel)監督は、「われわれは自分たちのことに集中していると思っていただいて大丈夫だ。練習場やチーム内での姿勢とメンタリティーを正しく保とうとしている」とコメントした。

「ここまでわれわれは互いに信頼し合えているし、それが変わることはない。ゲームに向かうバスとユニホームがある限りは、試合に臨んで必死に戦う」

 今回の制裁を受け、ユニホームの胸スポンサーを務めていた英通信会社「スリー(Three)」は契約を一時停止し、ユニホームから同社のロゴを外すよう要請していたが、チームはロゴが入った青色のホームユニホームでこの日の一戦に臨んだ。

 一方、残留争いを強いられているリーズ・ユナイテッド(Leeds United)はホームでアストン・ビラ(Aston Villa)に0-3で敗れ、依然として危ない状況となっている。

 マルセロ・ビエルサ(Marcelo Bielsa)前監督の後任となったジェシー・マーシュ(Jesse Marsch)監督は、前週末にアウェーで行われたレスター・シティ(Leicester City)との初陣で黒星を喫していたが、ホーム初戦も残念な結果に終わった。

 これでリーグ戦6連敗となったリーズは、18位のバーンリーFC(Burnley FC)より消化試合数が二つ多い中、同チームとわずか2ポイント差となっている。(c)AFP/Steven GRIFFITHS