【3月9日 AFP】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は7日、同国の北大西洋条約機構(NATO)加盟を断念する可能性を示唆した。ロシアはウクライナを侵攻した理由の一つとして、同国のNATO加盟阻止を挙げている。

 ゼレンスキー氏は7日夜に放映された米ABCのインタビューで通訳を介し、「だいぶ前にNATOにはウクライナを受け入れる覚悟がないと理解し、この問題を冷静に考えられるようになった」と述べた。

 続けて「NATOはロシアとのいざこざや対立を恐れている」と指摘し、「ひざまずいて何かを懇願する国」の大統領にはなりたくないと述べた。

 ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領はウクライナ侵攻を開始する前、同国東部の親ロシア派武装勢力「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の主権と独立を承認。ウクライナにも承認を迫っている。

 この問題について問われると、ゼレンスキー氏は2地域を「ロシアしか認めていない偽の共和国」と呼ぶ一方、「これらの地域の存続形態について議論し、妥協案を見いだすことは可能だ」と回答した。

 さらに「私にとって重要なのは、これらの地域の住民でウクライナの一員でありたいと望む人の生活と、こうした人を迎え入れたいと言う人がウクライナにいるかどうかだ」「ただ承認すればよいという単純な問題ではない」と続けた。

 ゼレンスキー氏は「これは最後通告ではない。われわれは最後通告をするつもりはない。やるべきことは、プーチン大統領が情報を遮断して引きこもるのをやめて、話し合いを始めることだ」と述べた。(c)AFP