【3月6日 AFP】北京冬季パラリンピックの競技初日となった5日、母国がロシアに侵攻されているウクライナのアスリートが逆境をはね返し、7個のメダルを獲得して国・地域別ランキングでトップに立った。

 120万人以上が近隣諸国に避難し、食料危機の不安が高まる中、ウクライナ人選手は張家口(Zhangjiakou)で躍動した。

 北京入りしたのは数日前だったものの、ウクライナはバイアスロンで金3個、銀3個、銅1個を獲得。同国パラリンピック委員会のトップは選手団が現地入りできたことは「奇跡」だと話した。

 同競技の男子視覚障害では43歳のビタリー・ルキヤネンコ(Vitalii Lukianenko)がパラリンピック通算7個目の金メダルを獲得。さらに共に25歳のオレクサンドル・カジク(Oleksandr Kazik)が銀メダル、ドミトロ・スイアルコ(Dmytro Suiarko)が銅メダルに輝き、表彰台を独占した。

 また、バイアスロン女子座位で優勝したウクライナ出身で米国代表のオクサナ・マスターズ(Oksana Masters)は、自身夏冬合わせてパラリンピック通算5個目の金メダルを出生国にささげると、「ウクライナ出身であることを誇りに思う。アスリートとして身につけた立ち直る力、戦うこと、一生懸命に努力することといった全てのものをウクライナから学んだ」とコメントした。

 パラサイクリングやボート、クロスカントリースキーもこなすオールラウンダーのマスターズは、半年前の東京パラリンピックではパラサイクリングで金メダルを獲得しているが、時間がない中での冬季競技への切り替えには大きな困難が伴ったと話した。

 なお、開催国の中国はこの日、金2個を含め計8個のメダルを獲得している。(c)AFP/Lisa MARTIN