【3月6日 AFP】ロシアの税関当局は5日、五輪で2個の金メダルを獲得し、米女子プロバスケットボール(WNBA)でも王者になったブリトニー・グライナー(Brittney Griner)選手(31)を大麻製品の所持によりモスクワで拘束していると発表した。

 ロシアのウクライナ侵攻によってロシア政府と欧米諸国の間で緊張が高まる中、当局の発表によると、ニューヨークから到着時の手荷物検査で、「『吸入器』と特徴的なにおいのある液体」が見つかり、専門家が液体は麻薬性の大麻オイル(ハシシュオイル)だと断定した。

 発表では逮捕時期は「2月」となっており、グライナー選手の正確な拘束期間は不明だが、5〜10年の禁錮刑が科される可能性があるという。身元は公表されなかったが、米国代表として五輪で2回チャンピオンになったWNBAの選手と説明された。

 米代表を統括するUSAバスケットボール(USA Basketball)は、「ブリトニー・グライナーがロシアで直面している法的状況を把握し、注視している」とツイッター(Twitter)で話した。

 グライナー選手は2014年にフェニックス・マーキュリー(Phoenix Mercury)を3回目のWNBA優勝に導き、昨季も下馬評を覆してWNBAファイナルに進出したチームをけん引した。WNBAがオフの時期はロシアのUMMCエカテリンブルク(UMMC Ekaterinburg)でプレーし、3度の国内優勝と4度の欧州制覇に貢献している。

 WNBAの広報が米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)に話したところでは、グライナー選手を除いたWNBAの選手は全員、侵攻をきっかけにロシアとウクライナを離れている。(c)AFP