【3月5日 AFP】セルビアの首都ベオグラードで4日、ロシアのウクライナ侵攻への支持を表明するデモが行われ、約1000人が参加した。北大西洋条約機構(NATO)に抗議する一方、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領をたたえた。

 参加者は「セルビア人とロシア人は永遠の同志」とシュプレヒコールを上げ、発煙筒をたいてロシア国旗を振りながら市中心部を行進した。

 警備員の男性(22)は「ウクライナはネオナチ(Neo-Nazi)から解放されつつある。われわれの同志ロシア人がウクライナを解放している。願わくば世界も」とAFPに語った。

 セルビアとロシアは何世紀にもわたって友好関係を築いており、共にスラブ民族で正教会を信仰し、政治的な結び付きも深い。欧州の大半の国がロシアのウクライナ侵攻を非難する中、セルビアでは国民の多くがロシアを支持し、国営メディアもプーチン氏を擁護している。

 アレクサンダル・ブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領は国連総会(UN General Assembly)ではロシアのウクライナ侵攻を非難したが国内では曖昧な態度を取っている。

 1998年、セルビアのコソボ自治州で独立を目指すアルバニア系住民とセルビア人の対立が激化。1999年にはNATOがセルビア全域に空爆を実施した。コソボは2008年に独立を宣言した。

 ロシアはセルビアの石油・天然ガス産業を事実上牛耳っており、国連では常任理事国の拒否権を発動してコソボの加盟を妨げている。(c)AFP