【3月5日 AFP】サッカー欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2021-22)で優勝13回の強豪レアル・マドリード(Real Madrid)を破り、大会史に残る金星を挙げたFCシェリフ・ティラスポリ(FC Sheriff Tiraspol)のユーリ・ベルニダブ(Yuriy Vernydub)監督は、それから数か月が経過した今、ロシアに侵攻された母国ウクライナを守るべく肩に武器を背負っている。

 ベルニダブ監督はモルドバ1部リーグのシェリフを率いる56歳。前週、ヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2021-22)決勝トーナメント・プレーオフのため滞在していたポルトガルで、息子からロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が軍事行動を開始したと電話で知らされ、母国に戻った。

 ベルニダブ監督は英BBCで「朝4時30分に息子が電話をしてきて、ロシアが攻撃してきたことを伝えられた。すぐにウクライナに戻って戦うことを悟った」と振り返り、帰国にためらいはなかったと明かした。

 今もレアルに敵地で大勝利した夜によく思いをはせる。「レアル・マドリードを倒したとき、こんなことは想像もしていなかった」が、アドレナリンを保ち続ける原動力は、自身が最も愛するサッカーだ。「サッカーのことを考えると奮い立つ」とベルニダブ監督。「サッカーは私の人生。この戦争が長引かないことを願っている。われわれが勝ち、愛する仕事に戻ってみせる」と話した。(c)AFP