【3月5日 AFP】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は4日、北大西洋条約機構(NATO)がウクライナ上空に飛行禁止区域を設定しない方針を示したことを非難した。

 ウクライナはロシアによる空爆を阻止するため、ウクライナ上空に飛行禁止区域を設定するよう求めていた。しかし、NATOは応じず、代わりにロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に対し、ウクライナ侵攻をやめなければ追加制裁を科すと警告した。

 NATOのイエンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長は緊急会合後、「飛行禁止空域を設定するには、ウクライナ上空にNATO機を展開し、ロシア機を撃墜するしかない」として、「そうなれば欧州で多くの国を巻き込んだ本格的な戦争に発展し、人的被害もはるかに大きくなりかねない」と説明した。

 ゼレンスキー氏はウクライナ大統領府が公開した動画で、「NATOは(ロシア軍が)今後も空爆を実施し、死傷者の増加が避けられないことを知りながら、あえてウクライナ上空に飛行禁止区域を設定しない決定を下した」と主張した。

 続けて「きょう以降の人死にはNATOのせいでもある。あなた方が弱腰で、(われわれを)切り捨てたせいだ」と述べ、「NATO指導部は、ウクライナの都市や村へのさらなる空爆にゴーサインを出した」と非難した。(c)AFP