【3月6日 AFP】コロンビアの首都ボゴタ南部の貧困地区シウダーボリバル(Ciudad Bolivar)に住むシングルマザー、エイディ・ガルソン(Heidy Garzon)さん(38)の心配事は、9人の子どもたちの次の食事がいつ手に入るかどうかだ。1日2食ありつける日は幸運だ。

 一家の住まいは今にも倒れそうな平屋で、部屋は土間が一つだけ。そこにベッド6台を並べてある。シウダーボリバルの中でもさらに最も貧しく、最も治安が悪い地区にある。

 国連(UN)の食糧農業機関(FAO)と世界食糧計画(WFP)は先月、深刻な飢餓が予想される地域「ハンガーホットスポット」にコロンビアを指定した。両機関は今年、「730万人のコロンビア人が食料不安に直面し、食糧支援が必要になる」と指摘している。

「ハンガーホットスポット」に指定された20の国と地域は、コロンビア以外ではアフガニスタン、エチオピア、ハイチ、ソマリア、南スーダン、イエメンなど。大半が紛争国だ。

 FAOとWFPによるとコロンビアの場合、「政情不安、経済的苦境、そして国内避難民によって増幅された局地的な移民危機が組み合わさり」深刻な飢餓が懸念される事態に陥っている。

 ガルソンさんは、住宅や工事現場の清掃などの雑用仕事で収入を得ている。日当は2万ペソ(約600円)ほどで、交通費もそこから自前で払っている。

 子どもたちは一人も学校に行っていない。通わせる金がないのだ。唯一の頼みの綱は物乞い、ということもたびたびだ。

「毎朝起きて、今日食べる物がなかったらどうしようと思うのはつらいです。(中略)子どもがおなかがすいたと言っているのを聞くと、無力感でいっぱいになります」とガルソンさんは涙をこらえながら語った。(c)AFP/Hervé BAR