【3月1日 CGTN Japanese】ウクライナ東部からポーランドのワルシャワに向かう列車は、地元の人々が、西隣のポーランドなどに向かう主な交通手段です。中国中央広播電視総台(チャイナ・メディア・グループ、CMG)の記者はウクライナ西部の都市リビウの駅で2月28日、勤務中の武装警察の許可を得て、乗車待ちの複数の人々を取材しました。

【留学生のロイスさん】

「私はここで4日間も待っています。医学部の学業を終えました。どんなことが起きても、祖国に戻らなければなりません。私たちはここに残ることはできません。学校は、戦争が起きたら私たちを守ることはできないと話していました。それはここを離れなければならないことを意味しています。私は自分の安全を心配しています。母が私を待っています。母はお金を出して私を留学させてくれました。私はここで足止めされるわけにはいきません。母は、私が今どこにいるのか、列車には乗れたのかと心配して毎日泣いています」

【ウクライナのハリコフから来たアリ・カハタニさん】

「毎日砲声が聞こえて戦車が街を通っています。人々は毎日、2時間おきにシェルターや地下鉄の駅構内に隠れています。これがハリコフの現状です」

 また、駅で取材活動を行っていたCMGの楊春(Yang Chun)記者によりますと、同駅の列車はキエフからリビウを経由してポーランドへ向かいます。道路での出国が手続きに時間がずいぶんかかるのに対して、列車による出国は、国境警察が車内でパスポートの確認などの手続きをするので、時間をかなり短縮できます。そのため、多くの人が列車を利用します。しかし、2月27日に調べたところ、この列車の乗車券は1枚しか残っていませんでした。つまり、ほとんどの人が列車に乗れないということです。

 楊記者はさらに、「現在のリビウ駅は、まるでさまざまな情報を交換するプラットフォームのようだ。人々は各地からここに来て、それまでいた都市の情報を交換している。列車の乗車券を入手するのは難しいため、国境を越えてポーランドなどの他の国に行くという夢は、見通しが立たなくなっている」と語りました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News