【2月25日 AFP】オーストラリアのスコット・モリソン(Scott Morrison)首相は25日、中国がロシアによるウクライナ侵攻を非難しないばかりか、ロシアからの小麦輸入を拡大すると発表したことを強く批判した。

 欧米諸国などがロシアに対する追加制裁を打ち出したのとは対照的に、中国の税関当局は24日、ロシアからの小麦輸入を拡大すると発表した。これを受け、モリソン首相は「今まさに他国を侵略しているロシアに命綱を投げてはならない。断じて容認できない」と語った。

 国連(UN)によると、ロシアの小麦生産量は世界全体の約4分の1を占めており、輸出額は年間数十億ドル(数千億円)相当。ウクライナも世界全体の約10%の小麦を生産している。ただ、ロシアのウクライナ侵攻やそれに伴う制裁によって小麦生産が打撃を受け、国際的な食糧価格の高騰に拍車がかかる可能性があると懸念されている。

 中国はこれまで、ロシア産小麦の輸入に関しては、病害への懸念から産地を限定してきた。しかし、24日の発表によると、2月にロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が北京を訪問した際、対象産地を拡大することで合意したとされる。(c)AFP