【2月22日 AFP】(更新)ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は21日、ウクライナ東部の親ロシア派武装勢力が支配する2地域の独立を承認した。

 プーチン氏は、ウクライナ東部の親ロ派勢力が樹立を宣言した「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立と主権を直ちに承認すると表明。国営メディアはその後、プーチン氏がロシア大統領府(クレムリン、Kremlin)で親ロ派指導者と共に相互支援協定に署名する様子を放送した。

 大統領府によると、プーチン氏はこれに先立ち、フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領とドイツのオラフ・ショルツ(Olaf Scholz)首相と電話会談し、独立承認の決定を通告。マクロン、ショルツ両氏はプーチン氏に対し「失望を表明」したが、協議継続の意向も示したという。

 欧米はロシアに対し、親ロ派地域の独立を承認しないよう繰り返し警告してきたが、ロシアが承認に踏み切ったことで、すでに揺らいでいたウクライナ東部の和平プロセスは事実上崩壊した。

 ウクライナの親ロ派地域には、数十万人のロシア国籍保持者が暮らしている。ロシアは同地域の独立承認により、自国民の保護を理由にウクライナ介入を正当化し、軍隊を派遣できるようになる。そうなれば、ウクライナは広大な領土を失うことを受け入れるか、軍事力で圧倒的に勝るロシアとの武力衝突を迫られることになる。(c)AFP