【2月19日 AFP】ウクライナ東部の親ロシア派武装勢力は18日、紛争激化の恐れを受け、支配地域の住民をロシアに避難させ始めると発表した。

 東部ドネツク(Donetsk)州で「ドネツク人民共和国」の樹立を宣言した親ロ派勢力の指導者、デニス・プシーリン(Denis Pushilin)氏は、メッセージアプリのテレグラム(Telegram)に投稿した動画で、女性と子ども、高齢者を筆頭に、ロシアへの大規模な避難を同日に開始すると説明。

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領が近く軍に対し、親ロ派支配地域への攻撃を命令するとの見解を示した。同州に隣接するロシア南部ロストフ(Rostov)州とロシア当局は受け入れ準備ができており、「宿泊先」が用意されているという。

 同じく東部ルガンスク(Lugansk)州で親ロ派が樹立を宣言した「ルガンスク人民共和国」の指導者、レオニード・パセチニク(Leonid Pasechnik)氏も、民間人の犠牲を防ぐためとして、住民にロシアへの避難を勧告。武器を持てる男性全員に対し、「自分たちの土地を守るために立ち上がる」よう呼び掛けた。

 ウクライナ東部では、大規模な紛争が起きる恐れが高まっている。ロシアは、ウクライナ国境に集結させていた軍の一部を撤退させたと発表。しかし西側諸国は、ロシアが間もなくウクライナに侵攻する可能性があると主張している。(c)AFP