【2月16日 AFP】北大西洋条約機構(NATO)のイエンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長は16日、ロシアがウクライナ周辺からの一部部隊の撤収を発表したにもかかわらず、この地域での軍事力の増強が続いているようだとの認識を表明した。

 ストルテンベルグ事務総長は、ベルギー・ブリュッセルでのNATO国防相会議に先立ち、「ロシアから外交的な努力を継続する用意があるとのサインを受け取っているが、これまでのところ、現場での緊張緩和は見ていない」と述べた上で、「逆にロシアは軍事力の増強を継続しているようだ」と指摘した。

 事務総長は「われわれは当然、ロシアがウクライナやその周辺で何を行っているのか注視している。目にしているのは、彼ら(ロシア)が部隊の数を増やし、さらなる部隊が向かっているということだ」と語った。

 ストルテンベルグ氏は、ロシアはウクライナに対する大規模な攻撃を仕掛ける能力を維持しており、NATOは「最悪の事態に備えた」態勢を維持していると強調。その上で、ロシアに対し、国境周辺からの部隊の撤収を継続するよう促した。

 ロシアは16日、併合したクリミア(Crimea)での軍事演習が終了し、部隊が駐屯地に帰還しつつあると明らかにした。15日には、ウクライナ国境周辺からの一部部隊の撤収を発表していた。(c)AFP