【2月19日 AFP】アフリカ東部ケニアは、夏季五輪では陸上競技の強豪国として知られるが、冬季五輪の出場選手は過去に2人しかいない。そんなケニアでカーリングの代表チームが結成され、2026年にイタリアのミラノ(Milan)・コルティナダンペッツォ(Cortina d'Ampezzo)で開催される冬季五輪への出場を目指している。

 とはいえ、赤道直下の国でのカーリングの練習には、多くのハードルが待ち受けている。国内唯一のアイスリンクは、新型コロナウイルスの流行を受けて閉鎖。体育館での練習は床にストーン(石)を滑らせてしのいでいる。

 昨年2月、ケニアは世界カーリング連盟(World Curling Federation)に正式登録し、ナイジェリアに次いでアフリカで2番目の加盟国となった。

 ケニア・カーリング連盟(Kenya Curling Federation)のラベンター・オグタ(Laventer Oguta)会長(33)は、「大きな賭けですが、アフリカで2か国目ですから、2026年冬季五輪に出場できるかもしれません」と語る。

 しかし、ケニア代表がこれまでに行った国際試合は、昨年末のデンマークとの親善試合1回だけだ(7対5でケニアが勝利)。

 だが、困難な状況にもかかわらず、カーリングに熱中している人々はすでに1000人以上いる。中にはサッカーやラグビーなど他のスポーツから乗り換えたアスリートもいる。

「冬のスポーツをケニアにもたらすという挑戦に奮い立っています。冬を経験しない私たちにとって、まったく新しい地平が切り開かれています」とオグタ氏は言う。

 オグタ氏自身、7人制ラグビーの女子代表として2016年のリオデジャネイロ五輪を目指していた。インド発祥のスポーツ、カバディの国際連盟副会長も務める多才なアスリートだ。

 サッカーのケニア・プレミアリーグ(1部)のゴールキーパーだったハガイ・オディアンボ・ズマ(Haggai Odhiambo Zuma)氏も、カバディやラグビーを経験した後、カーリングに専念することにしたと話す。

「ケニアはもともとスポーツの才能に恵まれた国です。政府が氷上トレーニング施設に投資し、選手の国外トレーニングをサポートするようになれば、カーリングで冬季五輪のメダルを獲得できる可能性は十分にあるでしょう」 (c)AFP/ Ailéen KIMUTAI