【2月16日 AFP】北京冬季五輪に出場しているフィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワ(Kamila Valieva、ロシア五輪委員会<ROC>)について、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が15日、今回のドーピング騒動につながった検体から心臓の治療に使う3種類の薬物が検出されていたと報じた。

 ワリエワは昨年12月の検査で禁止薬物のトリメタジジン(Trimetazidine)が検出されたことを五輪開幕後に知らされた。トリメタジジンは狭心症の治療に用いられる一方、持久力を高める効果のある薬物だが、スポーツ仲裁裁判所(CAS)は14日にワリエワの五輪出場継続を容認。ただし、ドーピング疑惑が解消されたわけではなく、後日処分が下る可能性がある。

 ニューヨーク・タイムズは、ワリエワの検体にはトリメタジジンの他にも、世界反ドーピング機関(WADA)が禁止薬物に指定していない心臓の治療薬ハイポクセン(Hypoxen)とL-カルニチン(L-Carnitine)が含まれていたと報じた。

 これらの薬物が検出されたことは、13日のCASの聴聞会で提出された資料に示されていたという。CASはこの聴聞会をへて、出場許可という物議を醸す判断を下した。

 国際オリンピック委員会(IOC)幹部のデニス・オズワルド(Denis Oswald)氏によれば、ワリエワは聴聞会で、祖父の薬が誤って体内に入ったことが陽性反応の原因だと主張したという。ロシアメディアは、心臓の治療でトリメタジジンを服用する祖父とワリエワが同じグラスを使ったようだと伝えている。(c)AFP