【2月16日 AFP】英国のアンドルー王子(Prince Andrew)から性的暴行を受けたとして米国人女性が起こした民事訴訟で、両者が和解したことが15日、裁判所への提出文書で明らかになった。金銭的な条件の詳細は明らかにされていない。

 両者を代表してニューヨークの裁判官に送られた文書で、原告のバージニア・ジュフリー(Virginia Giuffre)さん(38)の代理人弁護士デービッド・ボイーズ(David Boies)氏は「法廷外での和解に合意した」と説明。和解の一環として、王子はジュフリーさんが設立した性的目的の人身取引の被害者を支援する慈善団体に「相当額の寄付」を行うとした。

 ジュフリーさんは、米国の法律で未成年に当たる17歳だった2001年、米実業家のジェフリー・エプスタイン(Jeffrey Epstein)元被告を通じてアンドルー王子と知り合い、性的暴行を受けたと主張。昨年、損害賠償を求め提訴していた。

 エプスタイン元被告は、性犯罪に及んだとして起訴された後、勾留中に自殺。王子は刑事責任を問われておらず、自身に対する疑惑を一貫して否定していた。

 この和解により、訴訟の陪審裁判への移行や、アンドルー王子がジュフリーさんの弁護団に法廷で尋問される可能性がなくなった。文書はジュフリーさんの訴えについて触れておらず、王子側が非を認める内容や、王子が疑惑を否定する立場を取ってきたことへの言及もなかった。

 文書では、「アンドルー王子はジュフリーさんの人格を傷つけようとしたことはなく、ジュフリーさんが虐待の被害者として、そして世間からの不当な攻撃の結果として苦しんでいることを認めている」とされたほか、王子が「エプスタイン元被告との関係を後悔していることを示すため」性的目的の人身取引との闘いを支援する、などと記されている。(c)AFP/Peter HUTCHISON