【2月15日 AFP】フィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワ(Kamila Valieva、ロシア五輪委員会<ROC>)が、薬物検査で陽性だったにもかかわらず北京冬季五輪での競技継続が認められたことについて、陸上女子短距離のシャカリ・リチャードソン(Sha'Carri Richardson、米国)は14日、自身がドーピング違反で東京五輪の出場を逃したときとは矛盾すると猛反発した。

 昨年米オレゴン州ユージーン(Eugene)で行われた米国代表選考会で、21歳のリチャードソンは100メートルを制したが、大会期間中の検査で大麻に陽性反応を示した。これで即座に30日間の資格停止処分を受け、メダル候補に挙げられていた東京五輪への参加資格を失った。

 一方、ワリエワは薬物検査で失格になっていたにもかかわらず、北京五輪への出場継続が認められた。スポーツ仲裁裁判所(CAS)は裁定理由について、15歳である同選手の年齢を含めて「特別な事情」を考慮したと説明した。

 しかし、リチャードソンはこれに納得せず、クリーンなアスリートの「顔を平手打ち」する決定だとする米紙USAトゥデー(USA Today)の記事を添えて、「彼女と私の状況の違いについて、私たちは確固たる回答を得ることができるのか?」とツイッター(Twitter)に投稿した。

 リチャードソンは昨年、検査で陽性が確認されると大麻使用を認め、母親の死を知ってこの薬物に手を出したと説明した。

 さらに、この日は大麻について「運動能力向上薬では決してない!!!!」と強調し、「母が死んだとき、私は走ることができず、トップ3候補でもあった」と振り返ると、「唯一の違いと思われるのは、私が黒人の若い女性であることだ」と語った。

 リチャードソンはまた、ワリエワの検体が昨年12月に採取されていながら今年2月まで検査されていなかった事実にも注目し、「自分が昨年12月に失格になっていたら、どんな結果であろうと数週間のうちに公表されて今ごろは世界中に知れ渡り、私の名前と才能は人々に徹底的にたたかれていた」とつづった。(c)AFP